Fantasie no. 1 (Telemann) by Aisha Orazbayeva

アイシャ・オラズバエヴァ

6つの幻想曲 (ゲオルク・フィリップ・テレマン, 1735)

アイシャ・オラズバエヴァ (ヴァイオリン)

夢みながら “歩かねばならない” (ルイジ・ノーノ, 1989)

アイシャ・オラズバエヴァ (ヴァイオリン), エロイザ=フルール・トム (ヴァイオリン)

未来のノスタルジー的ユートピア的遠方 (ルイジ・ノーノ, 1988)

アイシャ・オラズバエヴァ (ヴァイオリン), ペイマン・コスラヴィ (エレクトロニクス)

10月1日 (土)

18:30開場 / 19:00開演 / 2,500円 (1ドリンクつき)

 

ソ連崩壊の5年前にカザフ・ソビエト社会主義共和国(現カザフスタン)のアルマ・アタに生まれ、テレビで見たヴァイオリン演奏に魅了され、4歳でヴァイオリンを習い始めたアイシャ・オラズバエヴァは、現代曲への取り組みを通して厳格な音楽教育からの疎外を乗り越え、自身とヴァイオリンとのパーソナルで親密な関係を築いてきました。

 

Seeping Through by Aisha Orazbayeva and Tim Etchells

 

「間違う」ことへの怖れから解放された彼女は、さらに、インスタレーション、映像作品、ティム・エッチェルスとのコラボレーションなど多彩な活動をロンドンを拠点に展開。確かなテクニックと自由な発想を合わせ持つ新しいタイプの演奏家として注目されています。

 

 

今回のプログラムでは、「ノイズ」をも導入した現代的テクニックを用いてバロック期の「幻想曲」という形式のポテンシャルを極限まで引き出し、そして2世紀を飛び越え、ギドン・クレーメルの即興を録音した8チャンネルの音源を用いるルイジ・ノーノ晩年/ソ連崩壊前夜の傑作『未来のノスタルジー的ユートピア的遠方』に挑戦。8本のスピーカーとエレクトロニクス奏者(ペイマン・コスラヴィ)に応答しながら、会場中に林立する8本の譜面台の間を移動し演奏する作品です。それをさらに展開したデュオ作品『夢みながら “歩かねばならない”』には、同志エロイザ=フルール・トムと共に取り組みます。

アイシャ・オラズバエヴァ

Photo by Hugo Glendinning

バッハ、テレマンからラッヘンマン、ノーノまで幅広いレパートリーを持つカザフスタン出身のヴァイオリニスト。ソリストとしてラジオ・フランス・モンペリエ、レイキャヴィーク・アーツ・フェスティバル、クラングシュプーレン・フェスティバル、ラティテュード・フェスティバル、カーネギー・ホールなどに出演。ソロアルバム『Outside』『The Hand Gallery』で評価を確立。BBCラジオ3・4、レゾナンスFM、フランス・ミュージック、カザフスタン国立放送にライブ出演。ロンドンではプラス-マイナス、アパートメント・ハウスなどのアンサンブルと共演し、ティム・エッチェルスと継続的にコラボレーションを行なっている(2016年3月に2人のファーストEP『Seeping Through』がリリースされた)。エロイザ=フルール・トムとのヴァイオリン・デュオでは、キングス・プレイス、カフェ・オト、ナショナル・ポートレート・ギャラリーなどでパフォーマンスを行ない、バルトークのヴァイオリン二重奏曲44曲に基づいた映像作品『44』に取り組んでいる。

エロイザ=フルール・トム

 

ヴァイオリニスト、ディレクター、キュレーターとして活動、受賞歴多数。マキシム・ヴェンゲーロフとのバッハ『2つのヴァイオリンのための協奏曲』、レディオヘッドのジョニー・グリーンウッドとの室内楽(ロンドン・コンテンポラリー・オーケストラ・ソロイスツ)などで高く評価されている。近年ではウィグモア・ホール、リーズ国際コンサートシリーズ、セント・ジョージズ・ブリストル・ホール、BBCラジオ3などに出演、ランベール・ダンス・カンパニー、作曲家ケイト・ウィットレイとコラボレーションを行なっている。若い名手たちによる指揮者のいない弦楽オーケストラ「12アンサンブル」の芸術監督。12アンサンブルは最近マックス・リヒターと共にフィルハーモニー・ド・パリに出演した。現在アイスランド・セイジスフィヨルズルのHeimaで2015/16クリエイティブ・レジデンシー期間中。

ペイマン・コスラヴィ

Photo by Tyler Kurihara

テヘラン生まれ、ロンドンを拠点とするエレクトロニック・ミュージシャン。作曲、パフォーマンス、ソフトウェア開発、ライブ・サウンド・エンジニアリング、スタジオ・プロダクションなどを幅広く手がける。ロンドン・コンテンポラリー・ミュージック・フェスティバル(LCMF)、聖ルカ教会(ロンドン交響楽団)、ミュージックヘボウ・アムステルダム、ル・コルム・モンペリエなどでエンジニアリングを担当。スタジオではPRAH RecordingsやSNVariationsのアルバムを録音、ミックス、プロデュース。現在ロンドンの英国王立音楽アカデミーで音楽テクノロジーの客員講師、モンペリエのKlang!アコースモニウムでレジデント・ソフトウェア・プログラマーを務める。