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サウンド・ライブ・トーキョー ロゴ
The Passion Of Joan Of Arc with 2001 Loren Connors score / Courtesy of The Wire
2014年11月5日から12月28日まで
裁かるるジャンヌ ローレン・コナーズ 灰野敬二
11月17日 開場19時 開演19時30分
前売2,500円 当日3,000円
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裁かるゝジャンヌ — ローレン・コナーズ + 灰野敬二

「理想的な沈黙」を凌ぐ音

カール・テオドア・ドライヤー監督は、自作『裁かるゝジャンヌ』(1928)がオーケストラや弁士なしで無音で上映されることを理想としていたといいます。しかし約70年後、「『政府』『教会』あるいは何と呼んでもいいが、人間たちの頭脳の間でやりとりされる中で起きる、神的原理の歪曲」(アントナン・アルトー)の犠牲者としてのジャンヌ・ダルクを描くこの傑作の極限的な表現の内奥を「聴こえる」ものにしようとするアーティストが出現。活動初期からすでに自身のレーベルを「St. Joan(聖ジャンヌ)」と名づけていた、前衛ブルース・ギタリストとも言うべきローレン・コナーズは、2001年に満を持して『裁かるゝジャンヌ』のサウンドトラックに取り組み、2012年には、デンマークで保存されていたオリジナルからデジタル処理を通して復元された最新版にコナーズの音楽を加えたBlu-Ray/DVDセットが発売されました。今回、パーキンソン病を患い長距離移動に危険が伴うコナーズを招聘することは敢えてせず、地元ブルックリンの実験的パフォーマンス・センターIssue Project Roomで、映画が上映される中で演奏してもらいます。そしてインターネットを用いて映像と音を送り出し、東京ではもう一人の真の前衛ブルース・ギタリスト、灰野敬二が映画とコナーズの音を迎え撃ちます。ブルックリン/東京間の同期にわずかな遅延が生じますが、2人は時差や遅延も含めて「演奏」してしまうことでしょう。このために使わなかったらインターネットなど何のためにあるのか!? 同期をできる限り正確にするため、フィルムではなくデジタル上映になりますが、無声映画時代の上映速度と言われる20コマ/秒相当での上映で、本来の映像表現を引き出します。日本語/英語字幕つき。中世から現代を貫き、宗教的・政治的テーマとブルースの根源を共振させ、「理想的な沈黙」を凌駕する「音」を紡ぎ出す2人のパフォーマンスをぜひ目撃してください!

ローレン・コナーズ 灰野敬二 Photo by Aki Onda

ローレン・コナーズ(インターネット出演)、灰野敬二|映像・ストリーミング:遠藤豊(Luftzug Co., Ltd.)、筒井真佐人(Arque Inc.)|音響:葛西敏彦、市村隼人|照明:大西郁子(WWW)|舞台:柴田果奈子(WWW)|スタッフ:船木和倖、日高直子、川口雅巳|字幕:新井知行|ニューヨーク会場:ISSUE Project Room|ニューヨークスタッフ:恩田晃(監修)、Bob Bellerue、James Clark(音響)、Jody Elff(映像・ストリーミング)|記録:松尾健太(映像)、原真人(録音)、前澤秀登(写真)

ローレン・コナーズ プロフィール Photo by Aki Onda

ローレン・コナーズ(インターネット出演)

1949年ニューヘヴン生まれ。ブルックリン在住。ギタリスト、作曲家、インプロヴァイザー。これまでにLoren MazzaCane、Loren Mattei、Guitar Roberts、Loren MazzaCane Connorsなどの名で活動、現在はLoren Connors。幼少時にヴァイオリン、トロンボーン、ベース、ギターを学ぶ。葬儀の場でよくJ.S.バッハを歌っていた母親に影響され、プッチーニやショパンなどクラシックの作曲家に関心を持ちつつ、ロバート・ピート・ウィリアムスやマディ・ウォーターズなどのブルースにも魅了される。南コネティカット大学とシンシナティ大学で美術を学ぶが、絵画より音楽に自身の独自性があると決意、1970年代後半より『無伴奏アコースティックギター即興』シリーズを自主制作。また、ケイス・ブルームやトム・ハンフォードとの共同作業による一連のレコードではフォークやブルースにアプローチ。1984年から87年には音楽活動を休止し、執筆に取り組みながら思索を深める。復帰後はエレクトリック・ギターに移行。ディストーションやマルチトラックを駆使しつつ、デルタ・ブルースのボトルネック・サウンドを遠く思わせ、むき出しの繊細さと強さを持つ唯一無二のギター音楽を確立。『In Pittsburgh』(1989)や『Hell’s Kitchen Park』(1993)などで評価を高め、アンダーグラウンド・シーンに見出される。以来100点近い音源を発表し、ソロ活動、自身のバンドHaunted Houseでの活動のほか、スザンヌ・ランジル、サーストン・ムーア、ジム・オルーク、アラン・リクト、マルガリータ・ガルシア、灰野敬二などと共演。

灰野敬二 プロフィール Photo by Aki Onda

1952年千葉県生まれ。アントナン・アルトーに触発され演劇を志すが、ザ・ドアーズに遭遇し音楽に転向。ブラインド・レモン・ジェファーソンをはじめとする初期ブルースのほか、ヨーロッパ中世音楽から内外の歌謡曲まで、極めて幅広い音楽を検証し吸収。1970年、エドガー・アラン・ポーの詩から名を取ったグループ「ロスト・アラーフ」にヴォーカリストとして加入。また、ソロで自宅録音による音源制作を開始、ギター、パーカッションを独習する。1978年にロックバンド「不失者」を結成、ハードロックに全く新しい強力で重層的な次元を切り開く。1983年から87年にかけて療養のため活動休止。1988年に復帰して以来、ソロのほか不失者、滲有無、哀秘謡、静寂、Vajra、サンヘドリン、Nazoranai、Hardy Soulなどのユニット、Experimental Mixture名義でのDJ、セッションや他ジャンルとのコラボレーションなど多様な形態で国際的に活動を展開。ギター、パーカッション、ハーディ・ガーディ、各種管弦楽器、各地の民間楽器、DJ機器などの性能を研ぎ澄まされた身体性と独自の演奏技術で極限まで引き出し生み出される比類のない音は、超越なきシャーマニズム、荒れ狂う知性と認識に満ちている。170点を超える音源を発表し、確認されただけでも1500回以上のライブ・パフォーマンスを行っており、ローレン・コナーズ、バール・フィリップス、デレク・ベイリー、リー・コニッツ、ミシャ・メンゲルブルク、ラシッド・アリ、姜泰煥、三上寛、友川カズキ、吉沢元治、吉田達也、工藤冬里、工藤礼子、山田千里、吉増剛造など共演者は枚挙に暇がない。

Loren Connors grabs the guitar for the first time after having surgery on his shoulder in January 2014
Keiji Haino in Sound Live Tokyo Fringe 2013

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